ヒトの体内時計の周期は通常、24時間よりも長めに設定されています。そのため、起床後に時計をリセットする必要があります。このリセットに役立つ行為が、朝起きて光を浴びることや朝食を摂ることです。体内時計は、睡眠と覚醒のリズムや体温調節、ホルモンの分泌と密接に関連しています。また、大部分のヒトにおいて、日中は活動し、夜間に眠るリズムとなっています。
夕方や夜に仮眠をとると、その分、就寝時刻が遅くなります。また、体内時計のリズムも夜型方向にずれます。夜の寝つきが悪くなることや、眠りが浅くなることが生じ、睡眠の質の低下をもたらします。就寝時刻が遅くなることは睡眠時間の短縮につながります。仮眠直後は頭も気分もすっきりしますが、夕方の仮眠は我慢し、夜に早く就寝することをお勧めします。
最近はパワーナップという言葉も広がっています。午後に短い仮眠をすることで、その後の作業効率を上げる昼寝を指します。この昼寝にはポイントがあります。まず、午後3時より前にとること、そして、長く寝すぎず15分程度に留めることです。これが、夜の睡眠に影響が出ない時間帯、睡眠後の目覚めの悪さが生じない程度の目安です。
脳疲労だけでなく、身体も適度に疲労している方が良い睡眠につながります。しかし、睡眠直前の激しい運動は、体温や心拍数、血圧を上昇させ、就床しても体温が下がらず、入眠が困難になります。(ヒトは体温が下がる時に眠気が高まります)
また、夜中に何度も目覚めたりすることで睡眠の質の低下につながります。
逆に、就寝の3〜4時間前に軽い運動を行い、体温を上昇させておくと、就寝時に体温が下がり、良い睡眠を導きます。
食事をとる時間が遅く、消化しきれない状態で就寝すると、睡眠中に胃腸が活発に働くことになります。これは睡眠の質の低下につながります。夕食は就寝2時間前までに摂ることをお勧めします。どうしても遅くなってしまう場合は消化に良いものを選ぶと良いです。
体内時計には平日や休日はありません。毎日、同じリズムで刻んでいます。平日も週末も極力同じ時刻の起床と就寝を心掛けましょう。しかし、多くの方が、平日に蓄積された睡眠不足(いわゆる睡眠負債)を週末に解消したくなるかと思います。そのような場合、週末に昼まで寝ることや、長時間の昼寝をせずに、週末前夜に少し早く就寝し、朝少し遅く起床しましょう。この起床時刻は平日より2時間遅い程度が限度です。ここで体内時計のリズムを夜型方向へずらしてしまうと、週末の就寝時刻が遅くなり、月曜日の朝に睡眠不足の状態から一週間が始まってしまいます。平日に睡眠不足を溜めない様に、日々、少しの早寝を心掛けましょう。